AGA(男性型脱毛症)といわれる薄毛の治療薬として、最も代表的な「プロペシア」

高い効果がある反面、男性機能の副作用が出るという話を聞いたことがある方も多いはずです。

そのせいか実際に服用を始めたら、性欲低下や性機能の違和感など『ひょっとして・・・!?』と疑う異変を感じて、不安になっていませんか?

ここでは、プロペシアで起こる副作用のリスクや効果を詳しくご紹介します。

プロペシアへの不安を解消して、安心して薄毛治療を進めましょう。

1. プロペシアによる副作用のリスクと効果

そもそも副作用は、プロペシアに限らず風邪薬やサプリなど、どんな薬でも必ず起こります。

そんななかプロペシアに特別危険なイメージがあるのは、男性機能に症状が出るおそれがあるためでしょう。

命に関わるものではないですが、男性としては不安に思ってしまう副作用ですよね。

そこでまずは、そうした副作用が実際にどれくらいの確率で起こるか、さらに薄毛の改善率も一緒に見てみましょう。

プロペシアで副作用が起こる確率
⇒男性機能に関する症状を含め「0.5%」


プロペシアの薄毛改善効果
⇒目に見える増毛効果があった人「87.1%」

このように、プロペシアには少なからずリスクがありますが、副作用の発現率は1000人に5人ほどです。

それに比べて効果が出るのは約9割と、薄毛治療におけるメリットは大きいことが分かります。

そもそも「プロペシア」って?男性の4人に1人が発症するAGA(男性型脱毛症)の治療薬として、日本で最初に認可されました。 AGAの原因は、脱毛を促す「悪玉ホルモン(ジヒドロテストステロン;DTH)」で、それを作り出すのがテストステロン」という男性ホルモンと、「体内酵素(5-αリダクターゼ)」です。 プロペシアはこれらの結合を阻害することで、脱毛ホルモンの生成を抑えます。

このように、薄毛への効果は高いプロペシアですが、副作用がほとんど起こらないといっても、その具体的な症状が気になりますよね。

そこで次の章では、プロペシアで起こる副作用の症状を、詳しくご紹介します。

2. プロペシアでどんな副作用が起こる?

プロペシアで報告される副作用の症状は主に、

  • 男性機能に関する症状
    ⇒プロペシアのDHT抑制作用によって体内で作られる男性ホルモンの量が減少するため
  • 肝機能に関する症状
    ⇒プロペシアは肝臓で代謝されるため

の2種類です。

プロペシアによって男性ホルモンが減るのはなぜ?通常、体内で生成されるはずの「男性ホルモン」が、プロペシアの服用によって生成されなくなるためです。 詳しい仕組みは、次のようになります。 「プロペシアの作用と男性ホルモンの量」DHT生成に使われる男性ホルモン量がプロペシアによって減る
▶男性ホルモンは十分にあると体が判断する体内で新たに男性ホルモンが作られなくなる男性ホルモンは性欲や勃起に関与するため、減少するとこうした男性機能に悪影響を及ぼします。

では、それぞれの具体的な症状と、副作用かどうか見分けるポイントを解説していきます。

なお、今回ご紹介する副作用の起こりやすさは、プロペシアが使われるようになってから実際の医療機関で約10年にわたって調査された数字です。

2-1. 男性機能の症状

製造販売元のMSDが公表しているプロペシア販売開始後10年の臨床調査によると、男性機能症状の発現率は「0.2%以下」です。

具体的な症状と、それぞれの起こりやすさを見てみましょう。■性欲減退「0.2%」

  • 性交への興味がなくなる
  • 性的刺激で性欲が沸かない
  • 性行為の回数が減る

■勃起・射精障害「0.1%未満」

  • 勃起不全(ED)
    ⇒なかなか勃たない、勃起が持続しない、十分に硬くならない
  • 射精障害
    ⇒早漏、膣内射精障害(遅漏)
  • 精液量減少(逆行性射精)
    ⇒精液の量が少ない、精液がまったく出ない、射精の後に尿が白濁する※自覚症状はない場合が多い

またこうした精力に関する症状のほか、海外に限った報告例ですが、精巣痛や頻尿・残尿感といった前立腺の不調などがあります。

ただしいずれも発現率は1000人に1~2人いるかという割合なので、過度に心配することはないでしょう。

あまり気にし過ぎないことも大切男性機能の不調、とりわけEDに関しては、薬による副作用が原因となることは比較的稀で、 多くは、 ①加齢に伴う血流量の低下
②ストレスなど心因性
 の2つによって症状が進行します。 特に30~40代の若年層ではストレスや不安などの影響を受けやすいため、「プロペシアを飲んでいるからだ・・・」と過剰に心配し過ぎることで、勃起しづらくなっていることも。 こうした心因性のEDは、ストレスを取り除いて自信を持つことで改善しやすいです。そのため、あまり気にし過ぎないことが大切です。

2-2. 肝機能の症状

製造販売元のMSDが公表しているプロペシア販売開始後10年の臨床調査によると、肝機能異常・肝障害の発現率は「0.1%」です。

プロペシアを代謝する肝機能が弱ることで、肝臓に炎症が起こり機能に異常をきたします。

では肝機能の異常とはどのような症状でしょうか。肝臓の働きからご説明しましょう。肝機能の働きと症状▶肝臓の働き
・栄養をエネルギーに替える
・不要な成分を取り除く

▶炎症が起こると・・・
・初期ではほとんど無症状のことが多い
・進行すると体のだるさや不要物の蓄積による吐き気などが起こる

肝臓の代謝力は、お酒に強い人弱い人がいるように、元々の体質によることが多いです。

加えてぜんそく持ちやアレルギー体質の人、肝臓に持病がある人も代謝によって肝臓に負荷がかかりやすくなっています

そのため、起こるかどうかを予測するのは不可能ではありません。担当医に持病や体質などをしっかり伝えておくようにしましょう。

肝機能異常に気付くには肝機能異常は自覚症状がないケースが多く、ほとんどは血液検査によって明らかになります。 ただしある程度症状が進行すると、

  • 倦怠感
    ⇒体が重い・だるい、疲労感が強い
  • 食欲不振
    ⇒食欲がない、お腹が空かない、吐き気がする
  • 黄疸
    ⇒白目や肌が黄色味がかる

といった、自覚症状が出るケースもあります。

2-3. そのほかの症状

ここまでご紹介した男性機能や肝機能の症状のほかに、報告されている副作用が3つあります。ほかに知っておくべき3つの副作用

  • 抑うつ症状・・・2例 (943例中)
    ⇒気分の落ち込みが続く、夜しっかり眠れない、やる気が起きない
  • 片側乳房肥大・・・1例 (943例中)
    ⇒以前に比べて胸のふくらみが気になる
  • 薬剤アレルギー症状・・・頻度不明 (943例中)
    ⇒肌のかゆみ、じんましんなど

ただしこれらの症状は、いずれもプロペシアが原因で現れたかどうかは明らかでなく、持病や薬との飲み合わせなど、ほかの要素の影響も考えられています

3. プロペシアで副作用が出たら・・・

もしプロペシアを服用し始めて、ここまでご紹介したような症状が気になった場合は、通院している病院やクリニックをすぐに受診しましょう

診察では、問診や検査などから副作用の可能性を検討し、次のような適切な薄毛治療を提案してもらえるほか、副作用を抑える別の薬を処方してもらえます。副作用に対する薄毛治療の選択肢

  • 減薬
    ⇒1回に飲む薬の量を減らす
  • 処方の変更
    ⇒プロペシアと作用が異なる治療薬「ミノキシジル」に変える
  • 投薬以外の治療法
    ⇒赤外線により毛根を活性化させるLED治療や、植毛など

特に、男性機能の症状は受診すべきか判断に迷うところかと思いますので、気になる方は下のセルフチェックを参考にしてみてくださいね。

また皮膚科に通院している人や個人で薬を購入している人は、精神科や泌尿器科といった分野も総合的に診察できるAGA専門病院(AGAクリニック)での受診を検討してみてください。関連記事:AGAクリニックについてさらに詳しく知りたい方はこちら

4. プロペシアに関するQ&A

気になる質問から、ぜひチェックしてみてくださいね。

Q1. 効果が出ない原因は何?

A. まだ効果が出てないだけorプロペシアが効かない薄毛タイプのいずれかが考えられます。

プロペシアを飲んでいるのに効果が感じられない方は、次の2つの原因に該当しないか、チェックしてみてください。

①服用期間が短い
⇒効果が出始めるのは平均して6カ月経ってから

②側頭部や後頭部の薄毛が目立つ
⇒プロペシアは前頭部や頭頂部のほうが効きやすい

の場合は、効果が期待できる「デュタステリド」という治療薬への切り替えや、効果を高める注入治療という選択肢があります。

Q2. 子作りに影響はある?

A. プロペシアは男性不妊の原因となるおそれがあります。

プロペシアは、

  • 勃起不全(ED)
    ⇒なかなか勃たない、勃起が持続しない、十分に硬くならない
  • 精液量減少(逆行性射精)
    ⇒精液の量が少ない、精液がまったく出ない、射精の後に尿が白濁する

といった、不妊に影響を及ぼす副作用が起こり得えます。

ただし割合は非常に低く、1000人に1人いるかどうかです。実際にプロペシアを服用しながら子供を授かったご夫婦は多くいます。

とはいえ、これは男性だけの問題ではありませんので、パートナーとよく話し合い、子作り中は断薬する・減薬するなどの選択肢も頭に入れておくと良いでしょう。

Q3. 服用を辞めても副作用の後遺症が残る話は本当?

A. 報告例はありますが、プロペシアとの因果関係は明らかにされていません。

薬の副作用は、服用を中止すれば治るケースがほとんどです。

しかしプロペシアの服用を辞めても性欲減退や勃起不全、抑うつ症状が数年単位で続くケースが、アメリカを中心に報告されています。

こうした後遺症は「ポストフィナステリド症候群」といわれ、海外では被害者団体ができるほど、大きな問題になっています。

ただし服用後に続く副作用とプロペシアの因果関係は、実は明らかになっていません

Q4. かえって抜け毛が増えると聞いたけど本当?

A. ミノキシジルに多い副作用で、プロペシアでは心配ありません。

薄毛治療薬を飲んだらかえって毛が抜けるようになった、という話は比較的、よく聞くものです。

これは悪い症状ではなく、「初期脱毛」というもので、薬がしっかりと効いていることを示す変化です。

新たな毛が生える際に、弱く細い毛が押し出されるために一時的に抜け毛が増えるのです。

また、初期脱毛は発毛薬である「ミノキシジル」で起こる症状で、プロペシアでは心配ありません。関連記事:ミノキシジルについてもっと詳しく知りたい方はAGAに詳しいクリニックでお問い合わせください

Q5. 癌になりやすくなるって本当?

A. そのような影響は心配ありません。

実は、海外の報告例ですがプロペシアの成分であるフィナステリドを長期投与した際に、前立腺癌の発症率が高まるという調査報告があります。

おそらく癌になりやすいという話は、ここから広まったものでしょう。

ただし、プロペシアにおいてはそのような心配はありません

それは

  • 海外の報告例は「日本での投与量の5倍を処方した」結果だから
  • 調査対象者は悪性の前立腺肥大症患者に限定されていたから

といった、プロペシア服用者とは明らかに異なる条件下だからです。

5. まとめ

いかがでしたか?

プロペシアに対する疑問や不安は多少なりとも、解消できたでしょうか。

ここでプロペシアの副作用と効果をおさらいします。プロペシアの副作用

全体の発現率「0.5%」
・男性機能の症状:性欲減退(0.2%)、勃起・射精障害(01%未満)
・肝機能異常・肝障害(0.1%)
・そのほか:抑うつ症状(2例)、片側乳房肥大(1例)、薬剤アレルギー(頻度不明)

目に見える増毛効果があった人「87.1%」

効果的な薄毛対策は、リスクをしっかり把握することも大切です。